雪ふらし

【02】





リナは家に引き返すと、ストーブと暖炉に薪をどんどんくべ始めた。


「ゼル!アメリア! 薪小屋からもっと薪を持ってきてちょうだい!」
「いいんですか、リナさん?そんなにいっぺんに燃したら、春が来る前に薪がなくなっちゃいますよ?」
「いーから、早く!」


アメリアとゼルガディスは、言われた通り、ありったけの薪を家の中に運び込んだ。

しばらくすると、アメリアが悲鳴を上げた。


「リナさん、大変です! 雪で窓の外が見えません!!」
「平気平気!だいじょぶじょぶ!」


リナはわき目もふらずに、薪を燃やし続けた。

またしばらくすると。



   めりめりばきばきばき  ずどどどどーーーんっ!!



家の裏手で大きな音が響いた。
ゼルガディスが駆けてきて、言った。


「リナ、大変だ! 薪小屋が雪の重みで潰れちまった!!」
「あらそう。 でも平気平気!だいじょーぶ!」


薪を燃やし尽くしたリナは、今度は家中のいらない物をせっせとかき集めだした。

するとアメリアが震えながら飛んできた。


「リナさん、どうしましょう!? 雪が二階の屋根まで届きそうですっ!!」
「まだまだ平気!大丈夫!」


リナは汗をかきながら、ストーブにも暖炉にもがらくたをつっこみ、ぼんぼん燃やしていった。

けれどそれからまもなく。



   みし………… みしみし……………



とうとう家の柱や屋根の梁までが、きしみを上げ始めた。


「リナ、もうダメだ!!」
「お家が潰れちゃいます〜っ!!」


アメリアとゼルガディスが毛を逆立てて叫んだとき。


「そろそろいい頃合ね。 さあ、反撃開始っ!」


リナはにやりと哂って、燃えるストーブと暖炉の中に、ありったけのスパイスを放り込んだ。




すると………




To be continued...

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2009.12.27 UP