「あ、そうだ…ねぇガウリイ?」
「ん?」
手を繋ぎカフェを出て、家へと歩く。
わざわざ言うほどのことでも無いと思うのだが…
「ロリコンの話だけどね、」
切り出すと、う゛っと歪む顔。
なんとも…可愛い。
噴出したいのを堪えてあたしは微笑む。
「10は若く見えるって言ったけど、ガウリイなら15は若く見えるわよ。」
「…15…」
「うん、44マイナス15で29!ほらギリ20代…って…あはは、やっぱしだめ?」
リナーぁと潤む瞳。
くすくす笑って彼の手を強く握り返した。
相当、ロリコン呼ばわりは嫌らしい。
「大好きよ。」
「…へ?」
あたしは、ガウリイが大好き。
何故、もっと早く生まれて来れなかったのだろう…そんなことを考えた時期もあったけど。
幸せは他人が決めるものじゃない。
あたしが…あたしたちが作り出すものだから。
だから…
「ガウリイが大好き。」
「リナ…」
優しく微笑む唇が近づいてくる。
…キス…くらいなら、父ちゃんも許してくれる…よね?
「………。」
「………。」
ん?…あれ?
ガウリイ?と薄く目を開けると、あたしの肩に手を置いたまま困ったような顔をしている彼。
「あ、いや…リナ?」
「…何?」
「…やっぱ駄目だ。」
はっ!?と思わず口に出る。
ガウリイは赤くなった頬をぽりぽりとかきながら、キスだけで終らせる自信が無い…とあたしを見た。
…この、根性無し!!
「り、リナ…怒ったのか?」
「別に。」
ぷいっとそっぽを向いて歩き出すと焦ったように『ごめん』と謝るそれ。
だけど、謝って欲しいわけじゃない。
あたしを大事に思ってくれていることは知ってるし…だけど…少しくらい強引に来てくれたって良いのに…
相変わらず、あわあわとしているそれに微笑んだ。
「本当に怒ってないから。」
「ほ、ほんとか?」
「うん、だから帰りましょう…”ガブリエフさん”。」
やっぱり、怒ってるじゃないかー!と慌てる彼が…また可愛かった。
Fin
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